
「外部パートナーとアイテムの呼び方が異なっていて、連携がうまくいかない」
「商品登録のルールが統一されておらず、検索してもヒットしない」
——そんな現場の“あるある”に心当たりはありませんか?
この記事では、SKUの基本から活用方法まで、在庫管理をスムーズにするポイントを解説します。
目次
SKUの定義
在庫管理の精度を左右するのが「SKU(Stock Keeping Unit)」です。SKUとは、商品のバリエーションごとに在庫を管理するための最小単位のこと。商品そのものではなく、「色・サイズ・仕様」といった商品ごとの違いを識別するために使われます。 たとえば、Tシャツに白・黒の2色、S・M・Lの3サイズがある場合、それぞれが異なるアイテムとして合計6 SKUとカウントします。
SKUは誰が使う?社内外で活躍する“共通言語”
SKUは社内外を問わず、さまざまな場面で使われています。
倉庫・店舗・EC・営業・システムなど、部署や立場を問わず、SKUは業務をつなぐ“共通言語”として活用されています。
・ 倉庫・物流担当者:SKUで商品を識別し、ピッキングや出荷を正確に行う
・ EC・店舗運営者:SKUで商品バリエーションを管理し、在庫連携をスムーズに
・ 営業・企画・マーケティング:SKU単位で売上や需要を分析し、販促や仕入れ計画に活用
・ システム・マスタ管理担当:SKUコード体系を設計・管理し、社内外の連携を支える
・ 外部パートナー(3PL・BPO・システムベンダーなど):SKUをもとに業務設計やデータ連携を行う
このように、現場のスタッフから経営層、そして外部パートナーまで、業務の基盤として広く機能するのがSKUなのです。
在庫管理を正しく行うためのSKUコード設計の基本
SKUを正しく管理すること。これこそが、在庫管理を正しく行う第一歩です。
しかし、商品名だけでSKUを区別しようとすると、名称が長くなったり、似た名前の商品と混同したりといったリスクが生じます。
たとえば「白Tシャツ(Mサイズ・クルーネック・綿100%)」のように、特徴をすべて商品名に含めると、検索や管理が煩雑になりがちです。
そこで活躍するのがSKUコード。商品を短く・正確に識別できるようになり、在庫管理や検索、データ連携が格段にスムーズになります。
ただし、SKUコードは単なる連番や思いつきでつけるものではありません。誰が見ても理解できる一貫性のあるルールに基づいて設計することが重要です。
以下が基本的な設計ポイントです。
・ 属性の順序を統一する
例: カテゴリ → 型番 → 色 → サイズ → パッケージ
・ 桁数・区切り文字を決める
例:TSH-WH-M(ハイフン区切り) 、 TSHWHM(連結)
・ 見た目が似た英数字は併用しない
例:Oと0、Iと1など、使わない文字をあらかじめ決めておく
・ SKU体系の変更ルールを明文化し、社内で共有する
誰が見ても同じ意味で理解できるコード体系を設計することで、現場での認識のズレやミスを防ぎ、業務全体のスムーズな連携につながります。
SKU管理の落とし穴:検索できない?その原因は“商品登録ルールの曖昧さ”
SKU管理でよくあるトラブルのひとつが、「検索しても出てこない」という現象。
これは、SKUコードの登録時のルールが曖昧なまま運用されていることが原因で起こります。
たとえば、同じ商品を登録する際に、担当者によって以下のような微妙に違うSKUコードが使われていたとします。
・ SKU123
・ sku123
・ Sku123(全角混じり)
見た目は似ていますが、システム上はすべて別のSKUとして扱われてしまいます。そのため「SKU123」で検索しても、他の表記(小文字や全角混じり)はヒットせず、在庫があるのに「ない」と判断されたり、集計から漏れてしまったりすることも。
特に複数人で商品登録や管理を行う現場では、担当者ごとに入力のクセやルールが異なり、こうした表記揺れが起こりやすくなります。
結果として、同じ商品なのにまるで別の商品として扱われてしまうという事態が発生するのです。
こうした混乱を防ぐには、SKUコードの登録・運用に関するルールを明確にしておくことが欠かせません。
たとえば、次のような対策が有効です。
・ 命名ルールを統一する
例:大文字・小文字の使い分け、全角・半角の統一など
→誰が入力しても同じ形式になるように決めておく
・ 登録時のチェック体制を整える
例:入力時に自動補正やバリデーション(形式チェック)を導入
→人のクセやミスをシステムでカバーする仕組みをつくる
・ SKU体系の変更や例外ルールを社内で共有する
→ SKUの追加・変更が発生したときに、現場で迷わないようにする
表記揺れやルールのばらつきは、在庫確認や分析の精度を下げ、現場の混乱を招く原因になります。
だからこそ、SKUを“共通言語”として機能させるためのルール整備が、在庫管理の質を大きく左右するのです。
商品コード、JANコードとの違い

SKUコードと混同されやすい用語に「商品コード」と「JANコード」があります。
SKUコードは、社内の在庫管理に特化した細分化された識別子であり、商品コードやJANコードとは目的も粒度も異なります。
・ 商品コードは、企業が商品そのものを識別するために設定するコードで、SKUよりも上位の概念です。色やサイズなどのバリエーションを含まず、商品の基本形を表します。
・ JANコードは、流通業界で使われるバーコード規格で、POSレジや物流システムで商品を識別するために使われます。GS1 Japanから取得する13桁または8桁のコードで、業界共通の識別子です。
SKUコード=商品コード“だけ”じゃない?混乱しがちな境界線を整理!
SKUコードと商品コードは、現場によって同じものとして扱われることもあれば、まったく別のものとして設計されることもあります。
たとえば、在庫管理ではSKUごとに商品コードを割り当てるケースが多く、SKUコード=商品コードとして扱われることがあります。
この場合、色やサイズが違えば、それぞれ別のSKU・別の商品コードになります。
一方で、売上分析や商品企画では、複数のSKUをひとつの商品コードにまとめて管理することもあります。
たとえば「白Tシャツ」のM・L・XLサイズをそれぞれ別SKUとして管理しつつ、「白Tシャツ」という商品コードでシリーズ全体の売上を集計するような使い方です。
つまり、
・ SKUコード=現場で使う細かい識別子(色・サイズ・仕様ごと)
・ 商品コード=企画や分析で使うまとめラベル(シリーズや型番ごと)
このように、SKUコードと商品コードは業務の目的に応じて「同じもの」として扱われることもあれば、「別のもの」として設計されることもあります。だからこそ、設計のポイントは「誰が何のために使うコードなのか」を明確にすること。
その意図さえ共有されていれば、使い分けもスムーズになり、現場での混乱を防ぐことができます。
重要ポイント総まとめ(これだけ読めば内容がわかる!)
・ SKU(Stock Keeping Unit)は、色・サイズなどの違いごとに商品を管理するための最小単位で、在庫管理の精度を左右する重要な識別子。
・ SKUは倉庫・EC・営業・システムなど、社内外の多くの業務で“共通言語”として使われている。だからこそ、誰が見ても同じ意味で理解できるようにSKUコードで設計・運用することが大切。
・ SKUコードは、商品コードやJANコードと役割や使われ方が異なる。特にSKUコードと商品コードは、業務目的に応じて「同じもの」として扱うことも、「別のもの」として設計することもあるため、使い分けの意図を明確にすることが重要。
SKU管理は、在庫の話でありながら、実は業務全体を支える仕組みの話。
明確なルールがあるだけで、「探す」・「数える」・「伝える」といった日々の業務がスムーズになり、現場の動きがひとつにまとまります。
だからこそ、誰が見ても・誰が使っても同じ意味で理解できるSKU体系を整えることが大切です。それは、現場の混乱を防ぐだけでなく、チームの力をひとつにするための“しくみづくり”でもあるのです。


